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ぼちぼち牧場の開発者はアホだという話

2025年9月8日に新作「ぼちぼち牧場」をリリースした。英語タイトルは「Bit by Bit Farm」。

ということで、主には開発期間周りの反省をしていこうと思う。

 

ざっくばらんに開発を振り返る

ぼちぼち牧場の開発を始めたのは、だいたい2月中旬ぐらいだったと思う。

というのも、gitのfirst commitがそのぐらいの日付だったから。

それからリリースまでなんと7ヶ月もかかっているのだ。

 

そもそもこのゲームを開発するかと思ったのは、セールだった牧場系のドット絵のアセットを買ったのが始まりである。

せっかく買ったのだから、活用してゲームを作るか、ぐらいの感覚だった。

そのためマーケティングとかそんなのはなし。

とりあえず自分が牧場物語とかをやってて楽しかった部分を実装してみるか、ぐらいの気持ちだった。

で、感覚的には3か月あれば作れるぐらいの認識だったのだ。

2025年3月28日のノートに「5月31日までに完成させる」と目標を書いているぐらいだ。

何といってもグラフィックは用意されているので、プログラム組んで、サウンドを入れてやれば、形になると思っていたからだ。

だが、先ほど書いたように実際には7か月はかかっている。

何があったのか?

イベントとしては、AI関連の作業が入ってくる。

実は、4月に新しいWindowsPCを購入していて、AIで画像作成とかして遊んでいたのだ。

これに加え、イラストの練習とか、何を思ったのか別のゲームを並行して開発しようとしたり。

とにかく、牧場ゲーム以外の作業に時間を費やしてしまっていたのだ。

すこしずつタスクは消化していたものの、ほんとに少しずつだったけだ。

この状態が少なくとも5月19日まで続き、遅々として進んでいる状態が続く。

ここで力尽きた。

というか日記がここで止まっているのだ。

どうやらタスクリストを整理したまではいいが、それ以降、8月になるまでポストをしていない状態だ。

8月にはIAPの実装まで進んているということは、作業自体は進めていたようだ。

正直細かい記憶はない。

6月7月も開発は進めていたのだが、ここで機能を削った覚えがある。

実は釣り機能とか洞窟の採掘機能とかのアルファ版みたいなものを作っていたのだが、お蔵入りにしているのだ。

ここで結構開発期間が長くなってきていたので、もう削ってしまえという判断だ。

なぜ削る判断ができたのか?

それは仕様が決まっていなかったからだ。

釣りをするのはいいけど、何のために?ユーザーに何を提供するの?というのが決まっていなかったのである。

単純に「釣り機能あれば遊びが広がるんじゃね?」ぐらいの見切り発車で作ったものでゴールがなかったのだ。

完成系も見えていないような機能が完成まで進められるわけもないのだ。

ここまで読んだ人は「この人アホなんじゃない?」と思ったと思う。

そうアホなのだ。

ゴールも決めずに走り始めるとこうなるのだ。

そして、実は、というか潜在的な問題もある。

それは、このゲーム自体の目標が曖昧だから、終わりの見えない作業になってしまっていることだ。

目標がないとモチベーションが上がらないものだ。

作業はする。でも「よっしゃああああ!作ったるぜええええ!」というほどの気合が沸かない。

ダラダラ作業している状態になるのだ。

この状態は作業効率がダダ下がりでよくない状態なのだ。

この開発者はアホであり、仕事ができない人なのだ。

目標、締め切り大事だね。

で、おそらく8月に入るころには、もう作り切るところまでイメージができていたのだろう。

Xへのポストも再開されている。

そして、9月8日にリリースと相成ったわけだ。

 

反省する振りをする

さて、振り返ってみると、ダメダメすぎて反省点が多すぎるので猛省をしよう。

言葉だけにならないといいなぁ。

・・・

ダメだ。

本気で反省する気ねぇなこいつ。

・・・

せめて形だけでも反省をしよう。

 

今回の反省点は大きく言うと、「当たり前を実施する」ということに尽きる。

  • 仕様を決める
  • 設計をする
  • スケジュールを立てる

これをちゃんとやりましょう。という話。

 

今回はとにかく仕様が曖昧なまま進めたのが一番の罪と言える。

仕様が決まってないから設計もできないしスケジュールも立てられない。

特に、これあったらいいな、がダメだし、自分のキャパシティを超えている仕様もダメなのだ。

背伸びして届くならいいけど、妄想に手を伸ばしても手が届かない。

また、仕様は作りながら考える!とか、作ってから遊んでみてつまらない部分を修正する!とかはやっぱり駄目だ。

1人で開発しているから、この辺が甘くなるんだけど、ここは律するべきところ。

不幸中の幸いは、こういう曖昧な進め方をしても迷惑を被るのが自分だけというところだ。

だが不幸であるのは変わりない。

やるべきことをやっていれば、こんな不幸なことにはならない。

 

仕様を決めてないことで設計ができていないという部分も、地味に大きな問題だ。

設計していないから、プログラムの手戻りも多いし、修正もしにくいし、テストもしにくいし、不具合も多く作りこんでしまう。

データ構造もぐちゃぐちゃで、メンテナンス性がかなり悪くなってしまった。

1年後にメンテナンスできる気がしない。

思ったよりもデータが多く「めんどくせぇな」と手が止まってしまうこともあった。

 

と、「仕様を決めていない」ということは様々な面でデメリットしか生み出さない。

わかっていたつもりだったんだがなぁ。

これまでちゃんとやっていただけに、ちゃんとやらなかった時のダメさ加減を体感できてなかったから甘くなってしまったんだろうな。

うん。そういうことにしよう。

 

悪いことばかりじゃなかったんだよ

と、ここまで反省をしたんだが、今回の開発も悪いことばかりじゃない。

これまでやってこなかったことにも着手できたのは、良いことだったと思っている。

 

一つは英語対応。

日本語をプライマリー言語にして海外に配信ってのはあったが、ちゃんと翻訳をして日本語以外でリリースしたのは初めてだった。

Unity Localizationを使わずに、独自の切り替え機能作って実装したが、これはこれで悪くない。

今後も使いまわせそうだしね。

 

次にタイルマップを使ったゲーム。

タイルマップは知識レベルでは使ったことがあったけど、ちゃんとゲームにしたことはなかった。

2Dのゲームではタイルマップは今後も使っていくことになると思うので、その知見を得られたのは良いことだった。

 

AIを使って開発効率を上げられたのも良いこと。

特にGPT-5が登場したことで、機能実装の手間がだいぶ減った。

特にエディタ拡張機能では重宝して、CSVエクスポートインポート機能の実装の時はかなり助かった。

今後もフルに活用させてもらおう。

 

次はちゃんとしよ

よくぞ、ここまで駄文と言っても過言ではない文章を読んでくれました。

この文章を読んでくれた人には私と同じ轍を踏まないようにしてもらいたい。

いや、踏まねぇよって人が大多数だろうが、踏んでしまいそうな少数に届けばいいね。

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